育てた蚕の繭で、繭細工作りに挑戦
今月紹介するのは、入谷小学校の「繭細工作り」です。繭を生み出す蚕を飼育し、貴重な絹糸を作ることを『養蚕』といいます。入谷小がある入谷地区は養蚕が盛んでした。地域の伝統・歴史について理解を深めるために、毎年4年生が蚕を飼育しています。地域の養蚕農家の方から、餌となる桑の葉の与え方や世話の仕方を教わり、大切に育てたそうです。蚕が生み出した繭を使って、繭細工作りに挑戦する様子を取材しました。
講師を招き、まずは真っ白な繭を鮮やかな色に染めていきます。ビニール袋にぬるめのお湯を入れ、そこに繭と染料を追加。鮮やかに染まり始めると、児童たちから「わー!」と歓声が上がりました。染めた繭は乾燥させる必要があるため、繭細工は昨年の4年生が染めた繭を使って『花』を作ります。花は、好きな色の繭に切り込みを入れて、専用のアイロンを使って広げた後、枝を通して繭の花瓶に生けたら完成です。真っ赤な繭で『タコ』も作りました。
児童たちは「楽しかった!」「花に枝を通すのが大変だった」と話し、担任の先生は「生き物を育てるところから、加工などの体験を通して、この地区にある小学校で学習する意味を考えてほしい」と話していました。完成品は後日行われた『6年生を送る会』で6年生へプレゼントされ、とても喜んでもらえたそうです。