レッドリストとは?
IUCN(国際自然保護連合)がまとめている世界の絶滅のおそれがある野生生物のリスト
インドサイはヒマラヤ山脈の南麓、湿地帯や沼地、その周辺に広がる草原に生息しています。泳ぎが得意で、沼地や川に長時間浸かっていることも。主な食べ物は草や水生植物で、指のようによく動く上唇を使って食べます。また下あごの前歯が牙のように鋭くなっていて、攻撃には角ではなく、この歯を使うのです。
インドサイの減少が始まったのは、17世紀以降といわれています。特に、19世紀の末には草原が開発されて人がサイの生息地に入り込み狩猟が激増しました。
200頭からの回復
20世紀始めに確認された総個体数は、200頭以下。その後、百年にわたる保護は、ここから始まりました。活動の中心は、高価な薬の原料となる角を狙った密猟の防止と、いくつかの保護区での管理の徹底です。WWFも1970年代以降、全面的に支援してきました。ネパールでは一度絶滅した地域への再導入計画も手掛け、個体数の回復に努めたのです。
多くの努力により、2007年には2,575頭まで個体数が回復しました。しかし近年は、開発や家畜の放牧による生息環境の悪化が、密猟より大きな脅威になりつつあるのです。今では保護区でしか見られなくなってしまったインドサイ。生息域をどうやって広げてゆくかという大きな課題が残されています。
情報提供:WWFジャパン
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