卒業証書用の和紙を自分で作りました
今月紹介するのは、丸森小学校の「卒業証書作り」です。
20年以上前から、毎年6年生が『丸森和紙』と呼ばれる和紙で卒業証書を作っています。丸森和紙には400年以上の伝統があり、きめが細かく丈夫なのが特徴です。
丸森和紙職人の宍戸信成さんの工房へ出向き、教えてもらいながら紙すきに挑戦しました。
白く見える水は、和紙の原料となる『コウゾの木の皮の繊維』と『トロロアオイの根』が入った粘液です。この粘液に木枠を沈めてすくい上げ、前後に揺すり、紙をすきます。
和紙の厚さが均一になるよう、児童たちは真剣な表情で取り組んでいました。
後日、乾いた和紙が学校に届けられ、卒業式で手渡されました。作った和紙は100年以上持つため、おじいさん・おばあさんになってからも「私が作ったんだよ」と孫に見せることができる、と宍戸さんは話していました。
卒業証書の他に、はがきも作りました。おたまを使って木枠へ粘液を流し込んだり、スポンジで水気を切ったりと、卒業証書とは違う難しさがあったようです。メッセージを書いて卒業式で家族に渡す用に1枚、もう1枚は20歳の自分へのメッセージを書き、20歳を迎える年に届くのだとか。
児童は「水が冷たくて大変だった」「卒業式に受け取るのが楽しみ」と話し、担任の先生は「自分たちが住む丸森を大切に思ってほしい」と話していました。