昔ながらの方法で稲刈り・脱穀体験
今月は氷見市立西の杜学園5年生の「もち米の稲刈り・脱穀体験」を紹介します。これは、統合により西の杜学園が2020年4月に開校する前の旧速川小学校から行われている活動です。
地域の方に協力してもらいながら、子供たちは春から約半年の間に、先人の知恵や地域の方の思い、育てる苦労や喜び、ふるさとのよさを学びました。
子供たちが苗を植えたのは5月。それから収穫まで観察を続け、9月に稲刈り、10月に脱穀を昔ながらの方法で体験しました。
稲刈りといえば大きな機械を思い浮かべますが、子供たちが使ったのは鎌。最初は「のこぎりみたいにギコギコ切るのかと思っていた」と話していましたが、地域の方に使い方、コツを教えてもらうと稲刈り未経験の子も手際良くスパッと切ることができていました。途中、友達同士で「稲を持つ手の場所に気を付けるよ」「手を切らないようにね」と声を掛け合う姿や、困っている子がいたら「手伝ってあげようか」「ぼくが持っていてあげるよ」と助け合う姿が見られ、チームワークを発揮しながら楽しく作業できたようです。
刈り取った後は、田んぼに杭を差して作られた、稲を干すための組み木(はさ掛け)に束ねた稲を掛けて天日干しにします。組み木は数段の高さに分かれているため梯子を使って上で受け取る人と、下から投げる人に分かれて、稲を引っ掛けていきました。最初は戸惑ったようですが、コツをつかむと「いくよ」「オッケー」「ナイスキャッチ!」など慣れた様子で次々と引っ掛けていきました。
稲刈りから数日経ち、次は脱穀です。千把扱き(せんばこき)、足踏み脱穀機、唐箕(とうみ)といった昔の人々が使っていた道具を使って少しずつ作業しました。手と足を同時に動かして使う足踏み脱穀機は、慣れない子供たちには少し難しく、地域の方がうまくこなす姿を見て「さすが!」という思いをもっていたようです。また、最初はうまくできなかった作業も、徐々にうまくできるようになると、上達の手応えを感じ、楽しんでいました。
田植えから脱穀までを体験した子供たちは「苗があんなに大きく成長することに驚いた」「機械で刈り取ると速いけれど、手で刈るのはとても大変で時間がかかることが分かった」「稲を束に縛るのがとても難しかった。おばあちゃん達はとても上手で、すごいと思った」と話し、それぞれの工程で感じるものがあったようです。何でも機械でできる時代に、昔ながらの方法をたどることで、工程一つ一つをしっかりと学習しました。また、ふるさとのことも知り、人との関わりも学ぶことができたようです。