学校教育の現場でよくある漢字の覚え方が「ノートにこの漢字を10個ずつ書きなさい」という教え方です。しかし、本当にこの方法で漢字を書けるようになるのでしょうか。
なかには書けるようになる子もいるかもしれませんが、実際には、それだけで書けるようにはならない子のほうが多いという実感があります。
そこで、現役教師である筆者が、漢字が苦手な小学生にアドバイスしている方法を紹介します。わが子に漢字を教えるときの参考にしてみてください。
まず試してほしい漢字の覚え方4つのステップ
はじめに、小学生の子どもが漢字を書けるようなる覚え方
- 指書き
- 空書き
- なぞり書き
- 写し書き
を紹介します。私が所属する教育団体の先輩に教えてもらった方法で、下記の4ステップを順番に教えるのです。
【STEP1】指書き
えんぴつを持たず人差し指だけで筆順通りに漢字を書かせることです。お手本の漢字を指でなぞらせたり、指で机の上に書かせたりします。
また、ポイントは、画数を数えさせながら書かせます。伸ばして書くところや、はねるところは、イントネーションを変えて言わせるようにしましょう。口で唱えると耳からも情報が入り、漢字を覚えやすくなります。漢字を覚えるまで指書きを何度も繰りし、ましょう。
【STEP2】空書き
空中に指で書かせることで、指書きで子どもが正しく覚えたかどうかを確認できます。
【STEP3】なぞり書き
薄く漢字が書かれている紙を用意しましょう。薄く書かれた紙がなければ、赤えんぴつでうすく漢字を書いてあげるのもいいですね。指で正しく書けるようになったら、次はえんぴつで丁寧になぞらせるのです。
【STEP4】写し書き
最後は、自分で手本の漢字を見て書きます。すでに指書きで覚えているので、3回程度練習書きをすればいいでしょう。学校でも塾でも中学受験など、どんなときにも使える漢字の覚え方です。
自作の漢字テストで覚えているかを確認する
4つのステップで覚えたら、最後は子ども自身にテストを作らせて回答させます。
テストの作りかた
テスト範囲の漢字を使った単語をひらがなでノートの一番上のマスにズラリと横に書かせます。すぐ横に漢字が書けるように間隔は空けさせましょう。
回答・確認のさせ方
振り仮名の横に正しい漢字を書かせます。送り仮名のある漢字は送り仮名も書かせます。テストが終わったら解答と比べさせて、はね、とめなど厳しくチェックさせます。
大切なのは、このテストを1回で終わらせず、2回目も行わせること。学校でも、多くの教師が再テストをさせていることでしょう。しかも、1回目とまるっきり同じ内容の再テストをやらせている教師が多いと思います。
しかし、家庭で行うなら、1回目のテストで間違えた漢字、書けなかった漢字、送り仮名を間違えた漢字だけを練習させたあと、その漢字だけをテストすればじゅうぶんです。
大事なのは覚えていない漢字を覚える、正しく書けていなかった漢字を正しく書けるようにすることです。もし、2回目のテストでも書けない漢字があれば、その漢字だけを指書きに戻って教えるなどして覚えさせていきましょう。
続いて「視覚情報を入れるのが得意な子」「聴覚情報を入れるのが得意な子」向けの漢字の覚え方を解説します。
全文は教育情報サイト「ソクラテスのたまご」でご覧ください。