「カーリングペアレント」という言葉を知っていますか? 子どもに対して過保護で過干渉な親を指し、子どもの自立の芽を摘んでしまう原因になるといわれています。
今回は、カーリングペアレントの特徴や子どもに与える悪影響、カーリングーペアレントにならないための対策を解説します。「私って、過保護すぎるのかな?」と普段の育児に不安を覚えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
カーリングペアレントってなに? その特徴は?
「カーリングペアレント」は子どもの失敗要因になりそうなことに次々と手を出してしまう、過保護で過干渉な親のこと。
平昌五輪で「そだねー」の言葉とともに大注目されたカーリング。氷の上をすべる石の前を選手たちがブラシでごしごしこする姿が印象的なスポーツです。ブラシで氷をこするのは、氷を溶かすことで石の速度や方向を調節し、思い通りの方向に誘導するため。カーリングペアレントとは、このカーリングの動作に親の育児態度を例えた言葉です。デンマーク発祥の言葉ですが、氷上のスポーツを親の養育態度に重ね合わせるのは北欧ならではともいえますね。
カーリングペアレントは、子どもが思わぬ方向にそれてしまわないように先回りをして障害物を取り除いていきます。子どもが失敗したり、嫌な思いをしたりするのは親なら誰しも見たくないものです。カーリングペアレントは子どもを守ろうとして人生に降りかかるさまざまな障害物を消し、平穏な道を歩かせようとします。
しかし、失敗のない人生は成長のない人生と同じこと。カーリングペアレントに育てられた子どもは、大きくなるにつれて自立・主体性の面でいろいろな問題が生じるようになります。
ちなみに、アメリカやヨーロッパではカーリングペアレントの代わりにヘリコプターペアレントという言葉を用いています。日本では子どもの成長を妨げる存在として「毒親」という言葉が有名ですが、カーリングペアレントやヘリコプターペアレントもまた、子どもの自立を危うくする存在なのです。
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カーリングペアレントになりやすい親のタイプ
- 理想主義者で妥協できない人
「子どもが失敗したり悲しんだりする姿は見たくない」というのは、果たして本当に子どものことを思ってのことでしょうか。子どもの理想像が頭の中でできあがっている人にとって、“失敗するわが子の姿=理想からずれてしまった姿”は受け入れがたいものです。親自身が子どもの失敗を恐れているため、先回りして障害物を取り除いてしまおうとするのです。この気持ちの裏には、「理想の親でいなければならない」という強い思いが潜んでいます。子どもが失敗することで、親である自分自身の評価が下がるのではないかという恐怖を常に感じているのです。 - 子どもと自分を重ねてしまう人
子どもと親は本来は全く違う生き物です。しかし親の中には子どもの中に幼い自分を投影させ、自分とわが子の境目が非常にあいまいになってしまう人がいます。特に母親が、娘と自分とを同一視してしまうことが多いとされています。自分の中で子どもの可能性を決めつけて、子どもに先んじて障害物を取り除こうとしてしまうのです。 - 子どものトラブルを面倒に感じる人
子どもがトラブルに出合い失敗すると、そこには大きな混乱が生じます。思い通りにいかなかった子どもは時に泣きわめくこともあるでしょうし、それをなだめたり諭したりするには膨大なエネルギーが必要です。その面倒事を回避する手っ取り早い方法が、最初からトラブルが起こらないように障害を回避すること。例えば、難しい遊びを禁止すれば子どもはけがも失敗もしません。ただし、そこから何かを学ぶこともありません。 - 時間や気持ちに余裕がない人
子どもが障害物に出合えば、それを乗り越えるためには時間がかかります。しかし、時間や気持ちに余裕がない親は子どもが障害物を克服するための間、そばで見守っていることができません。親が障害を取り除いて“やってあげる”方が、ずっと早く目標に到達できるからです。朝の支度や宿題など本来は子どもがすべきことでも親が代わりにやってあげて、時間を短縮しようとしてしまいます。 - 気が利く人
気が利くというのは、本来であればとてもすばらしい性質です。しかし、親が子どもに対して気を利かせすぎるのは問題。子どもが助けを求める前に障害物に気が付いてしまい、それを取り除いてしまうからです。社会に出た時に大切なのは、困ったり悩んだりした場合に“自分からSOSを出す”こと。気を利かせ先回りをしすぎると、子どもは何も言わなくてもしてもらえることが当たり前になってしまうのです。
リンク先では、カーリングペアレント事例やカーリングペアレントが親に及ぼす影響などをご紹介します。
全文は教育情報サイト「ソクラテスのたまご」でご覧ください。