算数の文章題が苦手なわが子。親からすると「なぜ分からないのかが分からない!」ということはありませんか。計算問題はできるのに文章題になると解けないのはなぜなのでしょう。「どうやって教えたらいいのか分からない」という人のためにベテラン塾講師の石井知哉さんが文章題が解けない子どもの頭の中と、家庭での教え方をアドバイスします。
なぜ文章題が解けないのか
文章題でつまずいているとき子どもの頭の中では何が起きているのでしょうか? まずは、苦手を克服するために、解けない原因について考えていきましょう。
小学生が算数の文章題ができない原因は、次の4つが考えられると思います。
文章題ができない4つの原因
【原因1】問題文を読んでいない・意味を理解できていない
【原因2】理解した内容を数式で表せない
【原因3】立てた式を正しく計算できていない
【原因4】問題に合わせて答えられていない
実は、この4つの原因は、文章題を解く際に頭の中で無意識に行っている4つのステップが関係しています。
文章題を解くための4つのステップとは
算数の文章題を解くには、次の4つのステップが必要です。
【ステップ1】「読解」:問題文を読んで意味を理解する
【ステップ2】「立式」:理解した内容から数式を立てる
【ステップ3】「計算」:立てた式を計算する
【ステップ4】「解答」:計算結果から問題に合わせて答える
この4つのステップの1つでも間違えると正解にはたどり着けません。ですから、文章題が苦手な子に対して、私たち塾講師が最初にすること、それは、どのステップでつまずいているのか発見することです。
それは、すなわち解けない原因が前述の4つのうちのどれに当てはまるのかを突き止めることになります。
具体的に次の問題を例に挙げて、4つのステップを見てみましょう。
例題
ペンが47本あります。3人で同じ数になるように分けると、1人分は何本になって、何本あまりますか? (正解:1人分は15本になって、2本あまる)
<例題を解いていく4ステップ例>
【ステップ1】「読解」:問題文を読んで意味を理解する
日本語文を読んで、47本のペンを、3人で等しく分けている様子をイメージする。
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【ステップ2】「立式」:理解した内容から数式を立てる
等分するときはわり算で表すことをふまえて、「47 ÷ 3」と式を立てる。
↓
【ステップ3】「計算」:立てた式を計算する
2けた÷1ケタなので、筆算をして、商とあまりを求める。
47 ÷ 3 = 15 あまり 2
↓
【ステップ4】「解答」:計算結果から問題に合わせて答える
「1人分は何本になって、何本あまりますか?」という問いに合わせて、「1人分は15本になって、2本あまる」と答える。
文章題が解ける子なら各ステップをスムーズにクリアできるので、わざわざ「ステップ1がこうなって、ステップ2で…」と細分化しませんが、もし、文章題全般を解けないのであれば、どこのステップですまづいているのかチェックすることをおすすめします。
また、各ステップの解決策は、文章題が苦手な子の保護者からよく相談される内容を解説しながら次の段落で紹介してきましょう。
リンク先では、よくある保護者からのお悩み相談に答えながら克服方法をご紹介します。
全文は教育情報サイト「ソクラテスのたまご」でご覧ください。