色を楽しむ、フィンガーアート
今月紹介するのは黒部市立桜井小学校の「フィンガーアート」です。
黒部市内にある黒部市美術館は、10年以上前から市内の小学校で図工の出前授業を行っており、今回取材した桜井小の1年生62名はフィンガーアートに挑戦しました。
フィンガーアートは筆を使わずに指で絵を描きます。美術館の方は「色が並んだときの組み合わせ、混ぜて作る違う色など色の面白さが味わえる。子供たちにはのびのびと創作することを楽しんでほしい」と話していました。
桜井小の子供たちが描いたのは「食べ物」。しっかりと本物を観察して「大きくおいしそうに描く」ことを目指しました。
食べ物をじっくり観察すると、リンゴは茶色っぽい赤や白っぽい赤が含まれていることを知り、一色で表現されがちな食べ物の中にたくさんの色があることが分かりました。また、色以外にも特徴があり、しわや凸凹、模様などをどのように表現するかを考えながら描きました。
この日、配られた絵の具は赤・青・白・黄色のみ。この4色から緑やピンク、茶色など配られていない色を作ります。子供たちは「オレンジは何色で作るのかな?」「緑を作りたいのに違う色になった」「思っていたよりもきれいな色ができた!」など、色を混ぜることで違う色が生まれることを楽しんでいました。
子供たちは絵を描く工程そのものも個性豊かです。色を混ぜる場所が画用紙かパレットか、色の濃さの調節に使うのは絵の具か水か、たくさん時間をかけて描くのは食べ物か周りの飾りかなど、みんな好きな方法で自由に描いていました。
出来上がった作品を見た児童は「なんか良い!」と元気に話し、満足気。「描いた絵を見ていたらお腹が空いてきた」という声も聞こえてきて、みんな目標としていた「おいしそうに描く」ということができたようです。