受け継がれる伝統河南鹿嶋ばやし
今月紹介するのは、広渕小学校の「河南鹿嶋ばやし伝承式」です。
『河南鹿嶋ばやし』とは、広渕地区に200年前から伝わる伝統芸能です。悪い病気を鎮めようと、神様にお祈りするために創作されたと考えられています。
広渕小では30年ほど前から、河南鹿嶋ばやし保存会の指導の下、6年生が伝統をつないでいます。
運動会や学芸会、地域の行事や病院・高齢者施設などを披露の場にしていましたが、2020年度以降は新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、校外での活動は中止。伝承式では、卒業を控えた6年生から5年生へと伝統を引き継ぎます。
始めに6年生が、青い法被、ねじり鉢巻き、黄色のたすきなど正装をして小学生最後の演奏となる『豊年』『おくりばやし』の2曲を披露。演奏を終えると5年生と向かい合い、太鼓のばちや笛を手渡し、たすきを結んであげました。
6年生代表は「コロナに負けることなく、誇りと責任をもって受け継いでいってほしい」とエールを送り、5年生代表は「地域の人を元気付けられるよう、次の世代へとしっかりとつないでいきたい」と答えました。
6年生が見守る中、5年生が『うちばやし』『松島』の2曲を披露。
最初の頃は音をそろえることも大変だったのだとか。昼間だけでなく夜間練習にも励み、無事演奏し終えた5年生は、楽器や衣装だけでなく伝統の心も受け継いでいきます。