母国語だけでなく外国語も巧みに操るバイリンガル。「外国語が行き交う環境で育ったから話せるんでしょ」と単に考えてしまわないでください。
実は、バイリンガルの脳は、母国語しか話せないモノリンガルとは違う脳の構造になっているのです。
では、その脳の構造を再現することが外国語学習のヒントになるの?ということで、現役脳外科医のDr.ニューロンがバイリンガル脳と英語学習の関係性と可能性を探ります。
2020年度から小学3年生でも教科として英語を学ぶようになりました。今までよりも若い脳で英語を学ぶことになるわけですが、このことでバイリンガルのように英語がペラペラになることが期待できるかといえば違いますよね。
では、バイリンガル脳の構造はどうなっているのでしょうか? また、バイリンガル脳はつくること、育てることができるのかを最近の研究結果をもとに解説します。
言語を学ぶときに注目したい脳の部分は言語野
まずは、バイリンガルに限らず、人間が言語を習得するときに脳の中がどうなっているのかを解説しましょう。
下記の脳の図を見てください。言語を習得するときには、赤色・黄色で示した2つの言語中枢が深く関わっています。
運動性言語中枢(ブローカ野)
運動性言語中枢は、言語の発信をコントロールしています。この部位を損傷すると、話を理解することは可能ですが、話を順序立てて組み立て、音韻を発声することが障害されます。
感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)
感覚性言語中枢は、言語の受信及び情報処理をコントロールしています。この部位が損傷した場合、人の話は全く理解できず、思考することも障害されます。
どちらが障害されても言語機能を失う失語症になりますが、感覚性言語中枢が障害された場合の方が、ほとんどのコミュニケーションが不可能となるため、重い症状が出ます。
本来、人は赤ちゃんのときに耳で人が話すのを聞きながら言語を習得していきますが、その際には、この2つの言語中枢から構成される言語野を働かせて言語を受信し、音を覚え、意味を理解し、自分の言葉として発するようになっていくのです。
リンク先では、バイリンガル脳がふつうの脳とどう違うのか、脳外科医が解説していきます。
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