子どもの言動から、わが子が「かわいくない!」と衝動的に思ったことのある親は意外と多いのではないでしょうか。しかし、子どもへの愛情が継続的に途切れてしまったとしたら…。公認心理師・佐藤めぐみさんの連載「親子の悩み相談室」5回目となる今回は、娘のことが嫌いと感じる母親からの相談に答えます。
わが子が嫌いな親の背景に見えるもの
今回のお悩み
私は娘のことが嫌いです。どこが嫌いなのかと聞かれても分かりませんが、性格も合わないし相性が悪いのではないかと思います。見ているとイライラして、抱きつかれるとゾクッとして嫌悪感でいっぱいになります。なぜ、私は娘を愛せないのでしょうか。こんな自分も大嫌いです。(小5娘の母)
私がこれまで相談を受けてきた中でも、「わが子を嫌いになってしまいました」という母親からの悩みは多くありました。しかしほとんどが一時的、一過的なもの。しばらく時間を置くと、子どもに対する気持ちは元に戻っています。
相談者のお母さんの“嫌い”という気持ちが一時的なのか継続的なのか、文面からは読み取れない部分もありますが、お子さんを愛せない状況に苦しんでいる現状はとてもつらいと思います。少しでもお役に立てるよう「子どものことを愛せない」という場合によく見られる背景や要因、向き合い方などについてお伝えしていきます。まずは、親が子どもを愛せないと感じる要因について考えてみましょう。
【1】子どもが親の思い通りにならない
わが子を嫌いになってしまうきっかけの一つとして、“子どもが親の思い通りにならない”ということが挙げられます。例えば“手間をかけて作ったご飯を食べてくれない”とか、親が子どもに良かれと思ったことを受け付けてくれない場合です。あとは、何かにつけて文句ばかり言う子どもに対して「何なんだろう、この子は…」と嫌悪感を抱くようになったというケースもあります。
また、「上の子かわいくない症候群」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。“症候群”と病的なものとしてカテゴライズすることに私はあまり賛同していませんが、要は下の子が生まれて大変な時期に、2~3歳上の子のイヤイヤ期が重なり「かわいくない!」と思ってしまうような時期のこと。これもまた、子どもを一時的に愛せないパターンとしてよく見られます。
つまり、親が思い描いている通りの反応・言動が子どもから得られない場合、子育ての負担が大きくなった場合に“わが子が嫌い”と感じる瞬間が出てくるのです。
【2】きちんと物事を進めたい完璧主義者
二つ目として挙げられるのは物事をきちんと進めることを好み、得意としている人が遭遇しやすいパターン。特に仕事をテキパキこなせるような人は、子育てを始めると仕事のようには上手く回しきれない矛盾にイライラしてしまうことが多いようです。
読者の皆さんなら分かると思いますが、子育ては仕事のように自分のペースで進めることはできません。子どもの体調や機嫌によって予定が変更になることはありますし、子どものペースに合わせていて自分の時間が取れないことも日常茶飯事ですよね。
しかし、完璧主義傾向にある人は想定外のことが起きる子育てに関してストレスを感じやすくなってしまうのです。
リンク先では、更にわが子が嫌いと感じてしまう背景を分析しています。
全文は教育情報サイト「ソクラテスのたまご」でご覧ください。