日本との時差が少なく温暖な気候に豊かな自然、治安の良さなどから観光地として人気のオーストラリア。
日本人の留学先としても人気があるようです。
オーストラリアの教育制度はどのようなものなのでしょうか。シドニーに居住経験のある筆者が、日本との教育制度の違いや留学先検討に役立つ情報を紹介します。
オーストラリアの教育制度とは?
オーストラリアは6~15歳までを義務教育としていますが7つの州があり、それぞれの州政府が教育制度を管轄しています。
そのため州によってオーストラリアの教育制度が異なり、大学進学のためには州ごとに定められた試験を受けなくてはいけないなどの決まりがあります。小学校の年数が1年異なるなどの違いもありますが、各州の教育内容に大きな違いはありません。
自由でおおらかなイメージのあるオーストラリアですが、教育制度はどのようなものなのでしょうか。詳しく紹介しましょう。
プライマリースクール(小学校)
日本でいう小学校にあたるのが、「Primary School(プライマリースクール)」。
プライマリースクールは、日本と同じように卒業時が12歳の6年間が対象。南オーストラリア州だけが、プライマリースクールを7年間に設定しています。
国語・算数・理科・技能・社会・体育・芸術・外国語の8科目が必修科目。州によって科目の呼び方に違いはあるものの、履修科目に違いはありません。
プライマリースクールの新学期は、1月下旬もしくは2月の上旬からスタート。そのため、オーストラリアでは8~12月生まれの子は6歳になった次の年にプライマリースクールに入学します。一方で1~7月生まれの子は5歳で入学するか、6歳になってから入学するかを選択できます。5歳で入学を決めた子は入学時に5歳、卒業時に11歳の場合もあります。
公立校の入学は、学区内の生徒が優先されます。そして共学、無宗教であることがほとんど。
一方で学区のない私立校の場合は、基本的にどの地域の生徒も入学できます。また、キリスト教の教えをする学校が多いのも特徴です。基本的に私立の学費は高いといわれていますが、立地や学校によっても差があるようです。
セカンダリースクール(中学校・高校)
中高一貫教育が実施されるオーストラリアでは、中学校と高校を合わせて「Secondary School(セカンダリースクール)」と呼びます。セカンダリースクールは二つに分かれており、日本でいうところの中学校が「Junior School(ジュニアスクール)」、高校が「Senior School(シニアスクール)」と設定されています。
日本の中学校・高校と同じように12(13歳になる年)~17歳(高校卒業時が18歳)が対象。
セカンダリースクールの4分の3は公立校、4分の1が私立校となっています。公立校のほとんどは共学で、基本的に留学生よりも地元の生徒の入学が優先されます。
一方で私立は宗教的な背景を持ち、学校ごとに独自の教育方針で運営を行っています。
【ジュニアスクール(中学校)】
ジュニアスクールは、12~15歳が対象の4年間。日本の中学校は12~14歳(中学卒業時は15歳)の3年間なので、日本と1年差がありますね。ジュニアスクール(中学校)卒業までが、オーストラリアの義務教育期間になります。
プライマリースクールが7年間ある南オーストラリア州の場合は、ジュニアスクールが3年間に設定されています。
【シニアスクール(高校)】
シニアスクールは、16~17歳が対象。オーストラリアでは、高校が2年間しかありません。日本と同じように高校は義務教育から外れていますが、ほとんどの人が高校に進学します。
【TAFE(専門学校)】
オーストラリアの専門学校には、公立・州立のTAFE(テイフ)と私立の職業専門学校の2種類があります。
義務教育であるジュニアスクール卒業後は、シニアスクールに行くか、TAFE(専門学校)にいくかの二つの選択肢に分かれます。大学進学を希望しない場合には、TAFEへと進み専門的な知識を身に着けます。
TAFEはオーストラリア国内に60校ほどあり、ビジネスやコンピューター、ワイン作りのコースなど多岐に渡ります。コースが幅広いため、TAFE一校に対する生徒の数は数万人と多く、大学のように規模が大きいのが特徴。専門技術や技能を学んで、卒業後のキャリアに生かす目的のある学生が集まります。コースによっては、修了すると日本の大学卒と同じレベルの社会的評価を得ることもできます。
私立の職業専門学校は国内に5000校ほどあり、特定の分野のコースを提供。そのため、TAFEに比べると規模の小さい学校がほとんどです。
リンク先では、日本の教育との違いや、オーストラリア留学が人気の理由をご紹介します。
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