今回は、シロクラゲを紹介します。ふわんふわんと柔らかいリズムで漂う、かわいらしい小さなクラゲです。まだまだ謎がいっぱいなんですよ。
シロクラゲってどんな生き物?
冷たい海にすむ
国内では東北地方よりも北の冷たい海に生息し、世界では北太平洋や北大西洋の寒海に生息しています。庄内浜では4月~5月頃に出現します。
英語の名前である「Umbrella Jerryfish」は傘のようなクラゲという意味です。
透明なのにシロクラゲ?
体の色は透明ですが、傘の骨のように中央から外側へと伸びる4本のリボン状の白い生殖腺が特徴です。
傘の柄のように、まん中から下へ長く伸びているのは、口柄といって消化器官の役割をしています。シロクラゲの口柄は白くてフサフサです。
傘の縁には約100本の繊細な触手があります。透明な部分以外、白色をしていることからこの名前がついたといわれています。
光に向かう
光に集まる性質(正の走行性)が強く、照明をつけると一斉に光の方向に泳ぎだします。生まれてまだ小さいうちは、傘の内部が緑色に光っていて、大きくなると光らなくなります。
子供の頃は全く違う姿
発達段階によって姿、生活パターンを変える生物です。壁や岩などに付着して生活するポリプ世代、浮遊して生活するクラゲ世代の2つに大きく分かれます。ポリプ世代は、無性生殖によって自分のクローンを作って増殖します。クラゲ世代では、雌雄が有性生殖を行います。
子供の頃に光るのはなぜ?
光る物質や光る理由については、実はまだよく分かっていないんじゃ。小さな体に謎がいっぱいじゃ。
鶴岡市立加茂水族館でも飼育中です!
加茂水族館では、シロクラゲのポリプを10℃以下で飼育しており、成長した大量のクラゲを展示しています。
生まれてきた1~2mm程の小さなシロクラゲをバックヤードで約1カ月育て、1cm程度に成長した個体を展示へと出しています。動物性プランクトンを食べるため、当館ではアルテミアというプランクトンを培養して与えています。