今回は、釣り人にも人気のアカカマスを紹介します。犬歯状の鋭い歯が特徴で、体の表面に傷がつきやすく、飼育が難しい魚です。
アカカマスってどんな生き物?
大きな群れで回遊
琉球列島を除く南日本、東シナ海から南シナ海に分布し、沿岸に生息しています。北日本では夏季に見掛けることができます。
子供のときは、港内や藻場(海藻が茂る場所)・浅い場所などで見られますが、成長するにつれて沖合の岩礁付近を好み、大きな群れを作って回遊しています。回遊とは、海や川に生息する生き物が、成長段階や環境の変化に応じて生息場所を移動する行動のことです。
細長い体と尖った口先が特徴
多くの魚の体は左右から押されたように平たい形をしており、これを側扁といいます。上下方向に押されたように平たい形をしていることは縦扁といいます。アカカマスの体は細長く、やや縦扁しています。
背中は黄褐色で、おなかは白色。よく似ているヤマトカマスよりも体色に赤みがあることが名前の由来です。
口は前に突き出ていて、鋭い犬歯状の歯を持っています。
上顎の前方には1~2対の犬歯、他の歯はブラシ状です。下顎にも鋭い犬歯状の歯が並んでいます。
鋭い歯で何を食べるの?
肉食性で、主にカタクチイワシや藻場に生息する小魚や小型のエビ・カニ類を食べるぞ。獲物を目掛けて一直線に泳いでいき、瞬時に捕まえるんじゃ。
産卵の24~30時間後にふ化
初夏に産卵します。直径0.7~0.8mmの球形の卵は、1個ずつバラバラに分離して、海中を漂います。他の魚の餌となってしまわないように、ふ化するのは早く、水温21~25度の環境で24~30時間でふ化します。
加茂水族館の仲間たち!
館長と飼育員が釣ってきたアカカマスを展示しています。群れで泳いでいる様子を水槽で見せたいという思いから、釣り方、水槽までの運び方、餌の工夫などを重ねて、やっと群れで展示できるようになりました!
普段は、水槽下の方をのんびりゆったり泳いでいます。
餌の時間になると水面に上がってきて、同じ水槽のどの種類よりも早く食らい付いてきます。見ていてギャップがあって面白いですよ!