レッドリストの動物たち「アビシニアジャッカル」

IUCN(国際自然保護連合)がまとめている世界の絶滅のおそれがある野生生物のリスト

フクロモモンガダマシは、樹液や昆虫などを食べる、小型の有袋類です。オーストラリア南東部のビクトリア中央高地だけという、非常に限られた地域に生息しています。
1961年にまとまった生息域が確認されるまでは、わずかに5個体が見つかったのみ。その生息域も300平方キロ足らずで、しかも森林伐採などによる分断が心配されています。この森は、ユーカリの一種セイタカユーカリを主とした古い森で、フクロモモンガダマシはその老木や古木の洞を巣穴としています。
良質な木材になるセイタカユーカリを求める伐採と、それによる森の分断は、フクロモモンガダマシを危機に追い込んできました。特に洞ができるような、ある程度樹齢を重ねた木の減少は深刻です。今後その影響により、さらに個体数が減ると見込まれています。また限られた生息環境に依存しているため、地球温暖化の影響を受ける恐れがあるともいわれています。
フクロモモンガダマシの保護は1980年代から続けられてきました。巣箱を洞の代わりとする試みも行われてきましたが、これは「野生」動物の保護策としては、根本的な解決になるものではありません。この動物の未来は、生息地の森林の分断をくい止められるか、特に洞のある大木を保全できるかにかかっています。
WWFは、人と自然が調和して生きられる未来をめざす国際的な環境保全団体です。
問い合わせ:WWFジャパン
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