レッドリストとは?
IUCN(国際自然保護連合)がまとめている世界の絶滅のおそれがある野生生物のリスト
ヨーロッパハタリスは、ヨーロッパ中部からトルコにかけて生息する、地上で生活するリスの一種です。放棄された牧草地やゴルフ場といった場所に地下数メートルの巣穴を掘り、仔を持つ親以外はそれぞれの巣穴に単独ですんでいます。
このリスが生きられる環境は、 とにかく「土が掘れる場所」。あまり土がじめじめしておらず、開放的で、やや荒れている印象があるくらいの土地です。しかし、こうした土地は大抵「活用されていない土地」と見なされてしまいます。事実、これらの生息に適した環境は次々に開発されてしまいました。
草原とともに消えてゆく
ドイツやポーランドではすでに絶滅。オーストリアではブドウ農園や競技場など、人が手を加えた土地でしか、ほぼ、このハタリスは見られなくなってしまったといいます。減少の理由は、明らかに生息環境の減少と悪化。正確な個体数は不明ですが、この10年間で30%は減少したのではないかと見られています。
ポーランドでは現在、野生への再導入が行われています。ヨーロッパハタリスの保護を成功させるためには、彼らが思う存分穴を掘り、安心して暮らせる自然を守らなければなりません。この小さな動物は、まぎれもない、ヨーロッパの多様な景観の一つに生きる、その代表ともいうべき野生動物なのです。
情報提供:WWFジャパン
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