今回は、山形おきたま伝統野菜に認定された置賜地域名産のなす「薄皮丸なす」を紹介します。パリッとした軽やかな食感の漬物が絶品!
南陽市生まれの伝統野菜
薄皮丸なすは、自家用野菜として古くから置賜地域全域で生産されてきました。昭和20年代に、南陽市に住む研究熱心な農業家『沖田与太郎』氏が、新潟の行商人から仕入れた原種の種を自家採種して広めたのが始まりとされています。当時は「沖田なす」と呼ばれていましたが、次第に「薄皮なす」「薄皮丸なす」と、特性を表した名前で呼ばれるようになりました。
山形おきたま伝統野菜とは?
①置賜地域でおおむね昭和20年以前から栽培されている在来種
②置賜地域の歴史と食文化を伝える物
③山形おきたま伝統野菜振興協議会が認定
上記3点を満たしている野菜。
夏の食卓には欠かせない逸品
一口で食べられる大きさが好まれ、漬物として地元で絶大な人気を誇る薄皮丸なす。6月下旬?9月末ごろまでが収穫期で、置賜地域を中心に約700戸が生産に取り組み、年間約500tを収穫しています。県内の同じ丸なすでも、米沢の「窪田なす」や鶴岡の「民田なす」に比べて、皮が薄くて柔らかく、浅漬などに適しているのが特徴です。
薄皮丸なすの一夜漬け
山形を代表する夏の漬物「丸なす漬」。昔から人々に愛されてきました。長なすの柔らかな食感とは異なり、パリッとした歯触りが好まれています。
置賜地域では、各家庭で広口ガラス瓶に入れた、薄皮丸なすの一夜漬けを作るのが夏の風物詩となっています。
材料(2人分)
●広口ガラス瓶…1個(450cc)
●薄皮丸なす……300g
●漬け液…………200cc程度
<漬け液>
・塩 50g ・砂糖 75g ・水 450cc
・ミョウバン 大さじ1/2
※上記分量で瓶2個分。余った漬け液は冷蔵庫で保存し、早めに使用しましょう。
※塩と砂糖は目安です。各家庭で分量はさまざま。
1.鍋に、水と塩、砂糖、ミョウバンを入れて、火にかけます。
2.煮たったら火を止めて冷まします。塩、砂糖を減らしたい方は10~15%くらい減らしてください。
3.薄皮丸なすをきれいに洗い、へたを取ります。
4.広口ガラス瓶へ、薄皮丸なすを押し込むように入れていきます。
5.冷ました漬け液を、広口ガラス瓶の口元まで注ぎます。
6.ふたを閉めて常温に置きます。漬け上がりは7~8時間後。
7.色が付いたら冷蔵庫で保管しましょう。