今回は「フタコブラクダ」を紹介します。餌は草や木の葉など。水が少なく寒暖差が激しい過酷な環境の中で、さまざまな特殊能力を身に付けました。
フタコブラクダってどんな生き物?
野生種は絶滅危惧種
中央アジアの砂漠地帯(中国とモンゴルにかけて広がるゴビ砂漠)に生息。野生種は1000頭以下という報告があり、絶滅危惧種に指定されています。家畜種は世界中に140万頭が飼育され、荷物を運ぶ他、毛皮や乳なども重宝されています。
足先は大きく、丸い形をしているため、砂にめりこみにくく砂漠を快適に歩けくことができます。
少ない水でも活動できる能力
体から出来るだけ水分を失わないようにしています。
●体温
気温に合わせて体温を34~40℃まで調整し、40℃を超えると初めて汗をかく。
●呼吸
呼吸にも水分が含まれており、暑いときでも1分間に20回程度の呼吸数に抑えている。
※犬は300回、牛は200回を超える呼吸数。
●尿
量が他の動物に比べて少なく、排泄で失われる水分を最小限に抑えている。
砂漠に暮らしていたら、よく目や鼻に砂が入って困らないのかな?
目には、二重に生えたまつ毛と、第三のまぶたと呼ばれる「瞬膜」があり、砂が入りにくくなっているぞ。鼻の穴は自由に閉じることができ、耳の毛が長いのも砂対策なのじゃ。
2つのこぶの秘密
こぶには脂肪が詰まっていて、食べ物がないときはエネルギーに変えています。大きく盛り上がり、ぱんぱんに張った状態は栄養が十分な証拠です。栄養が足りないと、こぶは萎んで倒れた状態に。大きなこぶが背中全体を覆うようにあることで厳しい直射日光を遮り、断熱材のような役割もしています。
こぶ以外の部分には脂肪がほとんどないので、体にこもった熱を逃がすのに便利です!
いつも口をもぐもぐ
一度飲み込んだ食べ物を胃から口の中に戻し、再びかんでまた飲み込む「反芻」をします。食事をしていないのに、口を動かしているのは反芻をしているときです。
八木山動物公園フジサキの杜の仲間たち!
ラフは大阪市の天王寺動物園、ラッキーはオランダの動物園から来ました。2頭は昼間、運動場でいつも一緒に過ごしています。
(左)ラフ メス 12さい
(右)ラッキー オス7さい
それぞれに個性があり、薄い毛色のラフは細かいことを気にせず、濃い毛色のラッキーは何にでも興味津々です。
健康管理のために行うトレーニング。「ふせ」など、さまざまな掛け声や合図に合わせて動きます。楽しそうな様子から、飼育員との絆の深さを感じることができます。