食料品などを販売している『みやぎ生協(COOP)』では、1992年から「こ~ぷの森づくり」をしています。現在、県内14カ所にあり、30年間で約10万本の木を植え、62ヘクタールの森を作りました。組合員の親子が参加し、植林体験や森の手入れ作業なども行っています。
今年の「こ~ぷの森貞任山」での活動は、道路工事で入山できなかったため『荒島』と『海のビジターセンター』で自然探索をした様子をご紹介します。
※1ヘクタール=25mプール(長さ25m・幅11mの場合)約36個分の広さ
海のビジターセンター近くの磯場を探索
海のビジタセンターとは?
ラムサール条約登録湿地となった志津川湾に面している施設。三陸復興国立公園・南三陸町エリアの景観、営みや貴重な生き物など自然情報の発信と解説を行っています。魅力的な自然に触れ合うイベントも実施。
北上川には「川のビジターセンター(石巻市)」もありますよ。
磯場には海藻がいっぱい!
志津川湾では、暖かい海が好きなアラメと、冷たい海が好きなマコンブの両方が生息しています。これは、南から流れてくる温かい海流と、北から流れてくる冷たい海流が混ざり合う珍しい場所だからです。
岩場の割れ目や潮だまりをのぞいたり、海藻の茂みを網ですくったり、石を裏返したり…。カニ、ヤドカリ、ハゼの赤ちゃんなどを発見できました! 生きているウニも見せてもらい、生き物たちは観察した後に海へ戻しました。
荒島(あれしま)の森を探索
荒島とは?
志津川湾に浮かぶ小さな島。昔は陸から船で渡っていましたが、今は桟橋を渡って行ける個人所有の島です。荒嶋神社があり、弁才天の島として信仰されてきました。
「魚つき保安林」「鳥獣保護区」の看板
荒島の森は、漁場の環境を守るために法律で保護されている「魚つき保安林」。森の栄養が海へも流れ、豊かな海を育てています。鳥獣の保護のため重要と認められる区域「鳥獣保護区」でもあり、全ての鳥獣の捕獲が禁止されています。
島全体が3つの森でできている
タブノキなどの常緑樹林、スギなどの針葉樹林、落葉広葉樹林の3種類の森が共存する珍しい自然環境です。植林されたスギ、漢方薬に使われるキハダなど、さまざまな木を教えてもらいました。
ツル植物は、他の木に巻き付き、どの植物よりも多くの日光を受けられるよう、上へ上へと目指していきます。締め付ける力が強すぎて、巻き付いた木を枯らしてしまうこともあります。木々の異なる生存戦略に「初めて知った」という感想が出ていました。
参加した子供たちにインタビュー!
海と森の生き物観察をしてみてどうでしたか?
腐葉土がふかふかでベッドみたいで気持ち良かった。胃の薬になるキハダは、黄色いことや苦いことが分かった。
海でカニをとったことが楽しかった。初めてフジの木やツバキを見たけど、すごかった。
島にスギじゃない木も生えていることが分かった。ガイドさんの話で、津波の高さにびっくりした。