【おうちで工作じかん】ピョンピョン紙コップ~身近なものを使って動くおもちゃを作ろう!~【vol.5】

最近、富山県以外の保護者の方からのLINE相談がたくさん送られてくるようで、色々な場所で生活している保護者に関心をもっていただけていることを嬉しく思っています。
さて、今回の質問は小学5年生と、小学2年生の保護者と方ということでした。まず、親が「自分でやりたいと甘えたいの狭間にいるように思う」という子どもの葛藤やこころの揺れについて理解しようとしている点がとても素敵だと思いました。
家族構成や家族環境によって、回答は変わってくるかもしれませんが、このような公の回答ですので、一般論でお話したいと思います。今回は、小学校5年生の子どものことと想定して考えてみます。
10歳くらいから18歳くらいまでの期間を「思春期」と呼びます。この時期は「第二次反抗期」とか「心理的離乳期」と表現されたりすることもあります。この時期の特徴は親からの精神的自立を求める時期です。そのため、「親に甘えたい気持ち」と「親から自立したい気持ち」が共存し、その間を行ったり来たりするという心理的特徴があります。
これまで、ある程度、親の言うことを聞いてきた子どもが「急に反抗的になる」など親からの干渉に過敏になります。一方で、「急に親に甘えだす」「急に親に依存する」などのまだ親に頼りたいという気持ちも起こります。このような、「子どもの葛藤やこころの揺れが起こっているのだ」という知識があると子どもとかかわりやすくなります。子どもにどのようなことが起きているのかを理解できるからです。
それを踏まえて、大事だと思うことは、親が先回りをして子ども自身の課題(問題)を解決してあげたり、抜け道を教えてあげたりするのではなく、子どもが自分自身で安心して悩み、試行錯誤することができる環境を作ってあげることです。近年は親に時間的余裕も、精神的余裕も無いため、親が子どもの課題(問題)に安易に介入してしまい、子どもに代わって早期に課題(問題)を表面的に収めてしまうことが多くあります。これでは、子ども自身が自分の課題(問題)を解決する力が育っていきません。
また、子どもが自立をするために動き出すと、親は急にそれが寂しくなり、子どもの自立を妨げようとするかかわり(子どもが自分でやろうとしているのに、親が変わりにやってあげてしまう等)をしてしまうこともあります。そのような気持ちになったときに知っておいてほしいことは、「親子」ではなく「私とあなた」という関係に変化しつつあり、我が子は正常な発達をしているのだということです。これには子どもと親とは違う人格であることについて、親が時間をかけて受け入れていくプロセスが大切なのだと思います。
今回、子どもが、大人になっていくことを支えていくために、とても大切な質問を送っていただけたと感じました。この企画のLINE相談がとても多いため、すべての回答にお答えすることはできませんが、今後も富山県に限らず、他県にお住いの方からのご相談をお待ちしております。
相談回答はエコファミリーWEBにて掲載されます。相談は、毎月実施している「読者アンケート調査」にて行っています。
※多数のご相談をお寄せいただいた場合は、掲載されない場合がございます。投稿が必ず回答されるものでないことをご了承ください。
※相談内容のみエコファミリーWEBに掲載されます。個人の特定に繋がる情報は掲載いたしませんのでご安心ください。
https://ecofami.com/special/detail/14450/
富山県こどもこころの相談室
代表(臨床心理士) 深澤 大地
長野県生まれ。関東の公的機関で教育相談員やスクールカウンセラーとして勤務。平成21年に富山県総合教育センター客員研究主事として招聘。平成29年に子ども専門の心理相談室「富山県こどもこころの相談室」を開設。現在は、子どもに限定せずに未就学児~成人のカウンセリングを行っている。また、講演会、新聞の連載エッセイの執筆、雑誌への記事の掲載、メディアへの出演など、臨床心理士として県内外で活躍中。
所属学会等
「日本心理臨床学会」 会員
「日本遊戯療法学会」 会員
「日本箱庭療法学会」 会員
「日本精神分析学会」 会員
「日本学校心理学会」 会員
「日本臨床心理士会」 会員
「富山県臨床心理士会」 前理事