「専門家が回答」⑧負けず嫌いですぐ癇癪を起こします。そのときの対応が知りたいです。

共通

富山県こどもこころの相談室 

更新

たくさんのご相談を投稿頂きありがとうございました。お寄せ頂いた中から、一部ご紹介いたします。

⑧負けず嫌いですぐ癇癪(かんしゃく)を起こします。そのときの対応が知りたいです。

この質問も非常に多い相談の一つです。子どもが嫌な気持ちになったときに、その気持ちを自分のこころの器で抱えることができないと、泣いたり、親を叩いたり、物を壊したり、物を投げたり、暴言になったりします。みなさんは子どもがいわゆる「癇癪」を起こしたときにどのようにかかわっていますか?

 

先を読み進める前に、ご自身の子育てを振り返ってみてください(カウンセリングは一般的にこのように進んでいきます。カウンセラーがすぐにアドバイスをするのではなくて、相談者が普段はどのように対処していて、その対処はどの程度効果があるのか、または無いのかということを相談者自身に振り返ってもらうプロセスを大切にします。また、そのようはかかわりをしているとき、親はどんな気持ちになるのかということもとても大事にしていきます)。

 

どのようにかかわっていたでしょうか?

 

負けず嫌いも含めて、子どもも大人も自分の思い通りにならないと不快な気持ち(主にイライラした気持ち)になります。そのときに、「何でそんなことで怒るの!」とか「何でそれぐらいのことで泣くの!」というように子どもを否定する言葉を言うと、子どもは余計に不快な気持ちが強くなります。それによって、いわゆる「癇癪」はさらに強くなります。

 

私の過去の回答でも常にお伝えしていることですが、人間というのは相手に自分の気持ちを受けとめてもらったり、理解しようとしてもらったりすることで、気持ちが穏やかになっていきます。

 

今回のご質問の「負けず嫌い」についてですが、子どもはどのような気持ちだったのでしょうか?

 

先に読み進める前に、子どもの気持ちになって子どものその時の気持ちを想像してみてください。

 

これは私の一つの仮説ですが、おそらく、悔しかったのではないでしょうか。

 

みなさんは、そのように想像できましたか?

 

「悔しい」と感じることは、甘えでもわがままでもありません。

 

子どもの自然な気持ちです。

 

このようなときに、子どもの気持ちを想像して「悔しかったんだね」とか「負けてしまったら悔しいよね」という気持ちに親がなったとすれば、その気持ちをそのまま、言葉にして伝えてみてはいかがでしょうか。

 

子どもは自分の気持ちを「受けとめてもらえた」「分かってもらえた」と思ってくれるかもしれません。

 

それによって、いわゆる「癇癪」は弱まっていくでしょうし、そのようなかかわりを日常的にすることによって、癇癪の回数は少なくなっていくし、一回の癇癪の時間も短くなっていくと思います。

 

ぜひ、実践してみてください。

それでも上手くいかないときは、別の方法もたくさんあるので、スクールカウンセラー、子育て支援センター、教育センター、個人開業の心理相談室などの相談機関で定期的に相談をすることをおすすめします。

 

その他の回答結果はこちらからhttps://ecofami.com/special/?tag=96

 

ご相談は「エコファミリーしんぶんアンケート調査」にて実施しています。公式LINEのタイムラインよりご回答ください。

相談回答はエコファミリーWEBにて掲載されます。相談は、公式LINEアカウントのタイムラインに投稿されている『エコファミこころの相談室』に記載のアンケートフォームから投稿できます。
※多数のご相談をお寄せいただいた場合は、掲載されない場合がございます。投稿が必ず回答されるものでないことをご了承ください。
※相談内容のみエコファミリーWEBに掲載されます。個人の特定に繋がる情報は掲載いたしませんのでご安心ください。

https://ecofami.com/special/detail/14450/

 

プロフィール

 

富山県こどもこころの相談室

代表(臨床心理士) 深澤 大地

 

長野県生まれ。関東の公的機関で教育相談員やスクールカウンセラーとして勤務。平成21年に富山県総合教育センター客員研究主事として招聘。平成29年に子ども専門の心理相談室「富山県こどもこころの相談室」を開設。現在は、子どもに限定せずに未就学児~成人のカウンセリングを行っている。また、講演会、新聞の連載エッセイの執筆、雑誌への記事の掲載、メディアへの出演など、臨床心理士として県内外で活躍中。

 

所属学会等

「日本心理臨床学会」 会員

「日本遊戯療法学会」 会員

「日本箱庭療法学会」 会員

「日本精神分析学会」 会員

「日本学校心理学会」 会員

「日本臨床心理士会」 会員

「富山県臨床心理士会」 前理事

HP:https://cocoro-soudan.wixsite.com/toyama-kodomo
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/TCCR556/
Twitter:https://twitter.com/tccr556?lang=ja

一覧に戻る

オススメ情報