「専門家が回答」⑦「私の育て方が悪いのか」と自己嫌悪に陥る日々です。

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富山県こどもこころの相談室 

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たくさんのご相談を投稿頂きありがとうございました。お寄せ頂いた中から、一部ご紹介いたします。

⑦子どもが私には手に負えない感じがして辛いです。私も疲れていたら精神的に不安定になってしまうこともあるので、「私も悪いのかな」とか「私の育て方が悪いのか」とか自己嫌悪に陥る日々です。

 

この文章からも投稿者が子育てで「つらくて、苦しいけども、どうにもならない」という気持ちが伝わってくる感じがします。

 

私を含めて、子育てをしていると、このような悩みに陥ることがたくさんあります。

 

日々、子育ての相談をしていると子育てが上手くいかない親にはいくつかのパターンがあるように思います。

 

  • 「子どもが思うようにならないのは自分の子育てが悪いのだ」という自分を責め過ぎて、子どもの言動を尊重しすぎてしまうしまうパターン

 

  • 「子どもが思うようにならないのは、子どもがわがままだからだ」という子どもを責め過ぎて子どもを叱責して子育ての悪循環にはまるパターン

 

この2つです。

 

このような思考が強すぎると子育てに大きな悩みを持つことが多いように思っています。

 

自分を責めてしまうパターンは「子育てが上手くいかないのは自分の子育てが悪いのだ」というのは

「本当に事実なのでしょうか?」

「どのあたりがそう思うのでしょうか?」

「上手く子育てができている場面はないのでしょうか?」

 

子どもを責めてしまうパターンは「子育てが上手くいかないのは子どもがわがままだからだ」というのは

「本当に事実なのでしょうか?」

「どのあたりがそう思うのでしょうか?」

「親のかかわりが子どもの困った行動を誘発している可能性はないのでしょうか?」

 

両方に共通することは「子育てにやりがいを感じていない」ことなのではないかと私は思います。

 

私は、よく子育ての講演会に呼んでいただくことがあります。その中で、子育てにやりがいを感じるためのよりより方法について、60分~90分をかけて丁寧にお話をします。

 

その中で、親が子どもとかかわることがつらくなった時に

 

「怒っている子ども」は「困っている子ども」

「困った子ども」は「困っている子ども」

 

であるという話をします。

*大前提として「子どもの言動を受け入れること」と、「子どもの気持ちや考えを受け入れること」は全く違います。私のこれまでのコラムやLINE相談に回答を読んでみてください。

 

子どもが親の言うことを聞かずに、癇癪を起しているとき、親は子どもにかかわることがつらくなります。そのときに、これまでとは少し視点を変えて、「子どもは困っているのだ」と考え、「一体、どんなことに困っているのだろう」と子どもの気持ちを想像してみることが大切だと思います。

そうすることで子どもの「困り感」に寄り添える可能性が出てくるからです。

 

この方法は、私も自分の子育てでも、臨床心理士という仕事をしている中でも、よく用いる方法です。

 

子どもが大人を不快な気持ちにさせるとき、子どもは「どんなことに困っているのだろう」と考えています。その中から、子どもへのかかわりのヒントが生まれてくるからです。

 

と、文章だけでお伝えしても、「そんなことできない」「もう自分がつらすぎてそんなことを考える余裕もない」という親もたくさんいることでしょう。

 

私が、このように文章にすることで、余計に傷ついたり、さらにプレッシャーを感じたり、もっと自己嫌悪に陥ったりする読者もいるでしょう。

 

詳しい事情が分からずに一般論として文章で伝えるには、今の私にはこれが限界です。

 

子育て、教育、親自身のことで悩んだり、苦しんだりしているときは、ぜひ、心理の専門家を訪ねてみてください。

 

学校だったらスクールカウンセラーという専門職がいます。インターネットで「〇〇県 相談」と検索するとたくさんの相談機関の電話番号が出てきます。今は、気軽にチャットやLINEでの相談を受けつけているところもあります。

 

よく、「平日の昼間は仕事だから相談に行けない」という方もいます。私も仕事をしているので、その気持ちはよく分かります。仕事を休むことは誰かに迷惑をかけるし、勤務形態によっては収入が無くなるからです。しかし、半日、仕事を休んで相談をし、もしそこで子育てのヒントが見つかり、子育てにやりがいを感じることができれば、仕事の生産性は大きく向上しますし、日常生活が充実していきます。

 

多くの場合、公の機関の相談料は無料ですが、平日の9時~17時までというように、多くの方が普通に仕事をしている時間です。利用したくてもしにくい現実もあります。

それを補う一つの方法として、個人開業をしている民間の心理相談室を利用するという手はあります。早朝、深夜、休日も相談を受けている心理相談室もあるので、ホームページ等で検索してみても良いかもしれません。

 

最後に、重要なことを言います。

 

一度、どこかに相談をして上手くいかなかったり、不快な思いをしたりした場合は、上手くいかなかったこと、不快な思いをしたことをカウンセラーに伝えてください。その気持ちをカウンセラーに受け止めてもらえずに、自分がもう、その人に相談する気にならなかったら、次の相談機関を見つけてください。多くの人が、一度、相談をして嫌な思いをしたために、相談に行くことをやめてしまい、子どもの状況が大きく悪化してしまいます。

 

あなたのために、問題を一緒に解決してくれようとする人は必ずいるはずです(100%自分の思いを理解してくれるカウンセラーはいませんし、すぐに問題を解決してくれる相談機関もありません。逆にそういうことを謳い文句にしているカウンセラーは気をつけた方が良いと私は思います。)

 

あなたが、「そこそこ良い」と思えるカウンセラー、「そこそこ良い」と思える相談機関と出会えますように・・・。

 

その他の回答結果はこちらからhttps://ecofami.com/special/?tag=96

 

ご相談は「エコファミリーしんぶんアンケート調査」にて実施しています。公式LINEのタイムラインよりご回答ください。

相談回答はエコファミリーWEBにて掲載されます。相談は、公式LINEアカウントのタイムラインに投稿されている『エコファミこころの相談室』に記載のアンケートフォームから投稿できます。
※多数のご相談をお寄せいただいた場合は、掲載されない場合がございます。投稿が必ず回答されるものでないことをご了承ください。
※相談内容のみエコファミリーWEBに掲載されます。個人の特定に繋がる情報は掲載いたしませんのでご安心ください。

https://ecofami.com/special/detail/14450/

 

プロフィール

 

富山県こどもこころの相談室

代表(臨床心理士) 深澤 大地

 

長野県生まれ。関東の公的機関で教育相談員やスクールカウンセラーとして勤務。平成21年に富山県総合教育センター客員研究主事として招聘。平成29年に子ども専門の心理相談室「富山県こどもこころの相談室」を開設。現在は、子どもに限定せずに未就学児~成人のカウンセリングを行っている。また、講演会、新聞の連載エッセイの執筆、雑誌への記事の掲載、メディアへの出演など、臨床心理士として県内外で活躍中。

 

所属学会等

「日本心理臨床学会」 会員

「日本遊戯療法学会」 会員

「日本箱庭療法学会」 会員

「日本精神分析学会」 会員

「日本学校心理学会」 会員

「日本臨床心理士会」 会員

「富山県臨床心理士会」 前理事

HP:https://cocoro-soudan.wixsite.com/toyama-kodomo
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/TCCR556/
Twitter:https://twitter.com/tccr556?lang=ja

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