【おうちで工作じかん】ピョンピョン紙コップ~身近なものを使って動くおもちゃを作ろう!~【vol.5】

私は、臨床心理士という「こころの専門家」です。臨床心理士の対象分野は幅広いのですが、私はこれまで、十数年に渡って子どもや親を対象に仕事をしてきたので、子どもや親のカウンセリングを専門としています。また、私は保育園に通う娘の父親です。自宅に帰ると自分の子どもとのかかわりに苦戦しながら、試行錯誤の日々を送っています。そのため、私のエッセイは、臨床心理士という「こころの専門家」の視点と、「父親」という視点の複眼的な観点から文章が構成されていくのだと思います。子どものこころの専門家であると同時に、子育ての初心者なのです。そのような点において、読み手のみなさんが日々、生活の中で悩んだり、疑問に思ったりしていること等について、一緒に考える機会になれば良いと思っています。
さて、先日、あるSNSの投稿記事を目にしました。そこには、男性投稿者の気持ちが数十行に渡って書かれていました。その男性投稿者は、ある小学校のスポーツ少年団のコーチをしているようです。その投稿は「最近の子どもたちはやる気があるのか。すぐにしんどい顔をする、ほめられないとやらない。頑張れる、努力をしている子どもは必ず成長するし、信頼できる。こんなことに気が付いていない子どもと親は残念だ。やっていないから成長しない、やっていないから変わらない。」というものです。
世の中の多くの人は、昔と今とを比較して、このような考えに共感する面もあるように思います。私は、この投稿者の主張がよいとか、悪いとかではなく、考えるべき大事なことが抜けている気がするのです。みなさんは、この大事なところとは何だと思いますか。
私が思う大事なところは、「すべての原因を、子どもや親に押し付けているところ」です。そこには、投稿者の「自分の思い通りにならないのでイライラする」という気持ちが隠れていることが推測できます。人間なので、自分の思い通りにしたいという欲求はありますし、このような気持ちになることも自然なことだろうと思います(という一方で、同じ状況でも、このような気持ちになる人もいれば、ならない人もいるのです。そこには、その人が幼少期に「親からどのようなかかわりをしてもらったということ」が影響していますが、このことについては、また別の機会に詳しくお話しようと思います)。
このとき、この投稿者が自分の不快な感情に気が付いて、冷静になり、視野を広く持って「自分のどういう指導が子どもや親のモチベーションを上げさせないのだろう」とか、「どういう支援をしてあげたらもっとやる気が出るのだろう」とか、「この子どもや親を成長させるためには、自分はどんなことを学べばよいのだろう」ということを考える余裕をもつことができると、現状は大きく変化します。子どもや、親も変化しますし、この投稿者自身の指導力もさらに上がることでしょう。そして、この変化や、指導力が上がるということは「こころが成長する」ということだと私は思います。
このことは、日常の子育てにも当てはまります。「なぜ親の言うことを聞かないのか」「なぜ、勉強をしないのか」「どうしてゲームをやめないのか」等、親が日々、格闘していることです。このようなことを感じて不快に気分になったときは、自分の中に潜んでいる「自分の思い通りにならないから自分が傷ついている」という気持ちを意識することが大切だと思います。自分が傷つきたくないので、自分の思い通りに子どもを動かしたいのです。つまり、それはもう、子どものためでは無くなっています。
日々、試行錯誤しながら子どもとかかわっていると、親には余裕が無くなっていきます。もちろん、子育ての初心者である私もそうです。私は、意図的に子どもから距離をとるために、好きな音楽を聴きながら、散歩に行きます。こんなことを言うと「そんな余裕はない」「子どもを見てくれている人がいない」という声が聞こえてきそうです。「できない」と思って、何もしないままでいても状況は先延ばしになり、この先、ずっとその状況は変わりません。「できない」のではなく、「どうしたら、今の状況が変わる可能性があるのか」ということを考える余裕をもつためには、どんな工夫ができるのかを考えてみてもよいのかもしれません。
富山県こどもこころの相談室
代表(臨床心理士) 深澤 大地
長野県生まれ。関東の公的機関で教育相談員やスクールカウンセラーとして勤務。平成21年に富山県総合教育センター客員研究主事として招聘。平成29年に子ども専門の心理相談室「富山県こどもこころの相談室」を開設し、主に未就学児から30代までのカウンセリングを行っている。また、講演会、新聞の連載エッセイの執筆、雑誌への記事の掲載、メディアへの出演など、臨床心理士として県内外で活躍中。
所属学会等
「日本心理臨床学会」 会員
「日本遊戯療法学会」 会員
「日本箱庭療法学会」 会員
「日本精神分析学会」 会員
「日本学校心理学会」 会員
「富山県臨床心理士会」 前理事
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